購入製品:『播種機AN601K+AT-604』
(左)こめよしプロジェクト 上野幸生様 (右)株式会社石井製作所 専務取締役 石井智久
上野幸生さん
山形県庄内町の吉方(よしかた)地区でお米の専業農家を営んでいる。
耕地面積は約6町歩。生産している品種はつや姫1町8反、ひとめぼれ4町歩、はえぬき1町2反、出羽きらり1町4反。ほか、育苗用のハウスが4棟あります。
上野さんが住む吉方地区のお米農家で立ち上げた、土作りからお米を栽培するプロジェクト。上野さんが兼業から専業農家になった5年前に発足。モットーは『土作りにこだわって稲作作りを見張ろう』
石井製作所の播種機を選んだ理由を教えてください
播種機の使用状況を
説明してくれる上野さん
私はつや姫、ひとめぼれ、はえぬき、出羽きらりの4品種を作っています。その中でも、つや姫は特別栽培米なので他の米が混じってはいけません。出荷できなくなりますし、作る資格を失ってしまいます。
石井さんの機械は操作が簡単で、工具なしできれいに掃除ができるのですね。他社さんの機械はホッパーが開けないので、毎回がきちんと掃除できたか確認できず、もしかしたら種が混じるかも知れません。なので、他社さんの機械はうちでは導入できませんでした。
なぜ新型の播種機が必要になったのですか?
今からちょうど5年前、うちの耕地面積を6町歩に増やした時に、自分が持っている播種機では作業が1日で終わらなくなってきました。田植えの時期は親族の方に手伝いをお願いしているのですが、1日で終わらないと親族の手を借りられないのですね。親族の方々は手伝いが終わった後の慰労会を楽しみに来てくれるので、なんとかならないかと困っておりました。
自分が持っていた播種機は10年ぐらい前の製品でしたが、技術が進歩して、色々なメーカーさんから1時間あたり500枚できる機械が出ていました。
実際に播種機を導入してみていかがでしたか?
本来であれば5人でやらなくてはならない仕事が、3人でできるようになりました。
作業中はハウスの中で箱を並べるのに待機している女性の方々がいるのですが、その方達の作業量を播種機が上回らないと作業の効率が悪くなってしまいます。
今の播種機は1時間あたり500~600枚できるものですからありがたいです。これが300枚だったらとても時間がかかります。500~600枚の播種機がうちの作業にはちょうどマッチングしています。
一台で数人分の仕事をしてくれます
石井製作所の播種機で良かった点を教えてください。
石井さんの播種機を使ってみて、よかった点がたくさんありました。
1つずつキーワードで説明します。
キーワード1.
「播種ロールの径が大きい」
石井さんの製品は播種ロールがものすごく大きいので、ゆとりをもって種籾が入ってきます。ばらつきがなく、種を均等に撒くことができます。播種性能は非常にいいですね。
他メーカーのものだと播種ロールの径が小さいので、どうしても種の粒が入らない品種があるんです。はえぬき・つや姫・出羽きらりは粒の大きさが同じぐらいですが、ひとめぼれだけ少し大きいのです。ひとめぼれのを撒く時は若干回転のスピードを上げてあげると他の米と同じように播種できるようになります。
石井製作所さんの播種機は独自の型を作って製造しているので、他社では真似できないのではないでしょうか。1つの機械で何種類もの種をきれいに撒けるのは石井さんの製品だけだと思います。
キーワード2.
「ホッパーの掃除が簡単で種がきれいに落ちる」
播種ホッパーの掃除がやりやすいです。ホッパーが簡単に開けられるので、エアーを噴きながら掃除をしています。ノブネジをゆるめて蓋を開けるだけで工具はいらないので、とても楽チンです。
他のメーカーさんの機械は播種ホッパーが中に組み込まれてしまっているので、空運転させるぐらいしか掃除の手段がありません。直前に撒いた種がちょっと残っていて、混ざってしまうこともある。
先ほども申し上げた通り、うちは特別栽培米のつや姫を作っているものですから、ホッパーから種が完全に落ちたというのが確認できないと、安心して使えませんね。
キーワード3.
「ローラー式なので長時間安定して使える」
石井さんの播種機は土の搬送がローラー式なので安定性があります。他社の製品ではベルトで搬送しているところもありますが、ベルトは長時間使っていると熱で濡れてしまって土が乗るとドロドロになってしまいます。ローラー式の機械ですと、いくら水を使ってもスリップすることもないし、うまく踏めているなと感じますね。
キーワード4.
「種撒きと同時に薬の散布ができる」
種を撒くと同時に、病気を防ぐための薬を散布することができます。わざわざオプション装置を買わなくともそれが標準装備になっているのがありがたいですね。潅水装置にも余裕があり、十分に水が入るので使いやすいです。一番大切なところの性能が十分にできているのでとても満足しています。
キーワード5.
「軽量培土が使用できる」
床土に使う土を、普通の土から軽量培土に変えたところ、軽いので女性の方々に大変喜ばれました。石井製作所さんの播種機は軽量培土もそのまま使えたのでよかったです。普通の土も軽量培土も、どちらも使えるのが嬉しいですね。
キーワード6.
「頑丈な作りで故障が一度もない」
5年ぐらい使っていますが、機械が停止したり壊れたりしたということは一度もありません。ホッパーの部分を鉄製にして頑丈にしているそうなので、丈夫で長持ちする機械だと思います。
石井製作所の製品をこれから導入する方にアドバイスなどがありましたら教えて下さい。
最後に、石井製作所への今後の期待とメッセージをお願いします。
石井製作所さんは社内に製品の研究開発をしている部門があるので、製品をよりよくしている努力をしているいいメーカーさんだと思います。
大手メーカーが作らないような製品も、お客さんの声を取り上げて石井製作所さんが作ってくれるようになればいいなと思っています。我々がいいなと思うものは、他の農家さんもいいと思ってくれるはずなので、これからもよい製品を作り続けてください。
上野様、お忙しい中取材に対応してくださいまして
ありがとうございました。
※ 取材日時 2016年11月
文中に記載されている数値など情報は、いずれも取材時点のものです
制作:ハンズバリュー